「ペルシアのきらめき」展(八王子市夢美術館)
オリエント考古学系展覧会をやるということで、初めて八王子の街へ行ってまいりました。
多分みんなあんまり行ったことないと思うけど(ひどい)、思っていたより近かったです八王子。中央線に乗っちゃえばすぐだし、美術館目の前まで100円で行けるバスもある。夢美術館はビルのワンフロアで、特別展2室+コレクション1室でした。
今回ちょっと面白かったのは、ペルセポリス遺跡の壁面レリーフの拓影(拓本)があったこと。
拓影とは、まあ魚拓のようなものなのですが、なにせそれをレリーフでやるのですから、大きい。
拓影というものは、原寸大なわけですよ。ペルセポリスの広間の壁の、王への朝貢使たちの行列が、ほぼ等身大で表現された彫刻の、原寸大の写し。レリーフの人物の顔と同じ目線で、石の凹凸を感じられる。拓影というものには、なにか独特の魅力があります。
「きらめき」展ということで、どうやらメインはガラス器だったのでしょうか。14点ほどでしたが、秀作が揃っていました。
正倉院宝物に含まれるガラス器と、よく似た器が1959年にイランで出土したというエピソードをパネルで紹介し、ペルシャのカットガラスを展示。
しかしさらに、奈良の正倉院以外にも、京都の上賀茂神社や沖ノ島でも、ペルシャのガラス器と同じガラス片等が発見されているんですよ、とキャプションにさらっと書いてあります。そうなんだよね。正倉院のことはみんな知っているかもしれないけど、そこもっとアピールしてもいいと思うですよ。今年は沖ノ島展も予定されているしね!
小ぶりですが、なかなかじっくり見るに値する作品のある展示でした。
個人蔵が多く、ということはあまり観られないものも多いかもしれませんから、是非この機会に。
ペルシアのきらめき
4/12~5/25 八王子市夢美術館