レザークラフト関係は、歩鳥堂に移行しました。

個別の記事は残してありますが、今後レザクラ・革もの関係の更新はこちらのサイトで行います。

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よろしくお願いします。

パリ旅行の準備:映画編2『地下鉄のザジ』

パリ映画ならまあ観なくちゃね。というわけで観た。

なお、この一連の記事には、映画としての感想はほとんどありません。パリ観光資料としての記録です。
映画感想としての配慮はないので、ネタバレを含みます。


「ザジ的な」という形容詞を人生で何度か聞く機会があった。小にくたらしくて、こまっしゃくれた、キッチュでキュートで気まぐれで、最後には苦笑してしまう感じ。なるほど。

東駅に降り立った少女ザジの、パリでの2日間。ザジをタクシーに乗せた叔父さんが、のっけから「あれがマドレーヌ寺院」「あれがアンヴァリッド」と全然違う建物を(しかも同じ建物を!)指差したときにはどうなることかと思ったが、なかなかにパリを堪能できる映画だった。
メトロに乗りたいザジ、しかしストの真っ最中で、そのせいかパリの広場はぐるぐる回り続ける車で満ちている。
少女は色々なところに行く。エッフェル塔では螺旋階段を駆け、ノミの市の店で平らげるムール貝は実に美味しそう。
メトロの入り口は街の中にポっとあって、でもそこには鉄の門が閉まっている。パリの街の中には、あちこちに、素敵な場所への入り口が潜んでいる。メトロのように(とはいえそれは頑なに口を閉ざしているのだが)、ザジにかかれば、パサージュでは地上の道の上をジグザグ横切る渡り廊下で追いかけっこをし、階段をぐるぐると飽きもせず走り回る。
単に少女の目線というわけでもなくって、後半はシュルレアリスム化して訳が分からないし、ザジは結局メトロには乗ることができない(一応は乗っているのだが、まあ……)。なんて映画だ!
しかし50年前のパリの美しさ、奥行きの広さについては、なかなかよく分かったのである。