レザークラフト関係は、歩鳥堂に移行しました。

個別の記事は残してありますが、今後レザクラ・革もの関係の更新はこちらのサイトで行います。

http://hotoridou.pe.hu/gallery/

よろしくお願いします。

「吉野の製材所」


聖山(ヒジリヤマ)
銀座で吉野の製材所(聖山)がなんかやるみたい
場所:ArtSpaceRONDO 銀座1丁目9-8 奥野ビル5階501
期間:3/29(金)〜4/7(日)

雨の日に行くんでも良かったかもしれない。
木の匂いというものは千変万化で、古い木箱も古材のベンチも、かつお節に似た真新しい削りかすの、乾いたものと昨日の雨で湿ったものとでも、それぞれに匂いは違う。
そういうものが置かれていた。
雨の日に行ったら、またもっと強くて険のある匂いがしただろう。

木はまたどれ一つ同じ顔はしていないので、そう広くもないスペースにどんどん詰まれたそれらの品々は種類は多くはないのだけれども、どこからどう眺め透かしても飽きるということがないのは面白い。あるいはまた紙袋に詰められた削りかすにずぶずぶと手を突っ込み、指くらいの小さな箱を摘み上げてはちょいちょいと並べ替えて、ベンチに座ったり机を撫でたり、手で触っても堪能させてくれる。
詩作の作家さんが在廊で、書をやるというので、紙も木も湿度がね、という話などしてくれたのが記憶に残る。
隅に詰まれた箱を指させば来歴を話してくれる。ちゃんとした箱、ちゃんとした木、ちゃんとした技術なのである。そういうのは聞くにも見るにも嬉しいものだ。

話を聞きながらいつまでも削りかすをずぶずぶやっていたら、袋にどっさり詰めておみやげにくれた。
小さな木筒も。珈琲染めの紙も。
吉野を連れて帰ることが出来るのだ。なんという贅沢だろう。



(紙の箱は別の作家のもの)

(「聖山」の焼印入り)