レザークラフト関係は、歩鳥堂に移行しました。

個別の記事は残してありますが、今後レザクラ・革もの関係の更新はこちらのサイトで行います。

http://hotoridou.pe.hu/gallery/

よろしくお願いします。

「Norway Photo Journey - 風景とムンクな肖像」「Foton-(光子)」「マイナスの人景 砕石場」(新宿)

f:id:segawa-y:20140126192045j:plain

こないだ新宿東口の写真スペースに行ってきた話をしましたが、

実は新宿って、西口の方に同じような、企業による写真スペースがいくつもあるんですよね。

そっちに行ったことがなかったので、ちょっくらはしごをして来ました。

 

宇佐見健「Norway Photo Journey - 風景とムンクな肖像」

 

1つめはRICOHペンタックス・フォーラム。

カメラショップのスペースの反対側に、かなり広々とした2室のギャラリーが設けられています。

今は第1室でノルウェイの風景写真をやっていました。↑のような全面ガラスの入り口からも近いこともあってかなり明るく、開放感のあるスペース。

ノルウェイの風景は、驚くほど空の高い景色や、どこかコントラストのきつくないような色彩ももちろん美しいのだけれど、やっぱり山ですよね。山は、なんということのないそこいらの山であっても、土地土地で本当に全然違うものだし、ノルウェイの山にはましてや氷河がある。「駐車場から15分で氷河があって」と在廊していた写真家が話してくれましたが、なんというか、そんな人類が足を踏み入れられる場所に氷河なんかあっていいの!?というような気分になる。その場所ではそれが普通のことなんですよね。

それから第2室では、ノルウェイの人たちに「ムンクの叫び」のポーズをとってもらう、という趣旨で集めた写真で「ムンクの叫び」が再現されている。なんのこっちゃ、と思うかもしれないけれど、そういうテーマを与えられるとみんな実に生き生きと変顔を披露している。ノルウェイの人たちのノリがいいってこともあるのかもだけど。

 

飯田信雄「Foton-(光子)」

 

お次はEPSONエプソンイメージングギャラリー エプサイト。

こちらはビルの1階というか地下1階というかで、全体に暗く照明もスポットライト式。どうやら応募式が中心みたいで、展示写真は全て販売されている型式のよう。

スペースはかなり手狭で、展示された枚数も多くはなかったけれど、「光」をテーマにした写真だけあって、暗いギャラリーの中にはよく合っていた。黒い壁、限られた照明の中に光の破片が走るような写真が置かれていると、一瞬距離感というかスピードの感覚が狂うような感じがあった。

 

有野永霧「マイナスの人景 砕石場」

 

最後はNiconのニコンプラザ新宿。こちらはビルの28階。入り口はかなり分かりづらい。小さな、普通の会議室みたいなドアをくぐって入ると、中は広いのだが……。

2室続きになっていて、片方では「日韓中 高校生フォトコン写真展」をやっていたのだがちょっと急ぎ足になっていたので、手前のだけ。

これ、なんと言ってもタイトルがいいよね。「マイナスの人景」! 砕石のために削られる山、自然の風景の中に出現する大理石の穴。でも自然破壊がどうとか、そういうことではない、と思う。もちろんそれはそれで重要なテーマだし、それを読み取ることもできるけれど、そこまで考え至る前に、まずその有り様に圧倒される。サイトにも小さいけれど写真が出ているので見てみてほしいのだけれど、これ、絶対、スケールを把握できないと思う。最初に見てなんとなく想定したスケールと、全然違った。途中から写真の中にトラックや鉄塔が表されて驚愕する。この煉瓦みたいに削られたブロックのひとつひとつが、穴の底に電線を送るために築かれた鉄塔と同じだけの高さがあるのである。

巨大な平面によって構成された、地の底へと向かう穴。その途中途中や(現在の)底に現れる、ハシゴや自動車や鉄塔といった、人間の小さな小さな形跡。圧巻。

 

というわけで西新宿の3スペースを1時間くらいではしごしてきました。

この3ヶ所は相互にすぐ近くにあるし、これをめぐると都庁前駅から新宿駅西口まで辿り着くことができるので行きやすいですね。あ、実際に行かれるときにはRICOHEPSONを逆の順番にした方がいいです。ちょっと失敗した。

 

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ