「石の世界と宮沢賢治」展(国立科学博物館 上野)
昨年は宮沢賢治没後80年だったこともあって、いろいろ賢治がらみのイベントや本やありました。私も、賢治と石の本を2冊ばかし読んだりして。
たまに鉱石フェアに行ってちょろっと買い物してくる程度には、実は石好きだったりする私です。
であれば、行くしかあるまい! ということで行ってきました、科博の賢治×石展。
こちら、本館の中の一室を使ってやっている企画展です。会場はそれほど広くはない。しかし、日曜の午前中はそこそこの賑いでした。
展示は明治時代の石の研究・分類や、賢治が受けていたであろう科学教育の話から始まります。当時の教科書や標本類が展示されているのですが、
古い博物図やら標本やらって、なんでこんなにときめくんでしょうかね!! 教科書の精緻な構図、標本を収めた本型の箱の荘重さ、それらのボロボロの佇まい……。たまらんです。
それから、賢治が制作に参加した地形図・地質図や、有名な「イギリス海岸」のサンプルなどが続きます。イギリス海岸って、偶蹄類などの足跡化石があるんですねえ。知らなかった。最近にわか生痕化石好きでもあるので、それもまあよかったのですが……やはり石です。
さすがは科博というかなんというか、石の標本がすごいのなんの。
↑霰石。
そして、賢治の物語とからめた石の展示。
物語の登場人物になった石たち。上は「気のいい火山弾」より、火山弾。頭には苔の冠。
そのほか色々な文章に登場した、石の比喩の一覧的展示コーナー。上はひすいの板。
などなど。
石ばかり撮ってきてしまいましたが、賢治の地質学者としての経歴、当時の地質学のもようなどがなかなか分かりやすく、当時の教材や実際の石・化石などと合わせて、単にヒカリモノ好きで行った観覧者にも興味を持てやすい展覧会になっていたのではないかと思います。もちろん、文学好きにも楽しいでしょう。
あと1週間(6月15日(日)まで)なので、上野にお立ち寄りの際には是非。